この記事では、俺が精神保健福祉手帳を取得した経験談に基づくメリットデメリットを書き連ねていく。
手帳の取得に迷っている人は参考にして欲しい。
精神保健福祉手帳とは
精神保健福祉手帳とは、障害のある人に交付されるいわゆる障害者手帳の種類のひとつで、精神疾患がある人が取得することができる。
精神障害者保健福祉手帳の制度は法律「精神保健福祉法」が定めてて、症状や生活における支障の程度に応じて1級から3級の障害等級に区分されているんだ。
ちなみに俺は最初3級だったんだけど、その当時は住んでいる福岡の西鉄電車やバスも割引がなく、あんまりメリットを感じられなかった。だから更新していなかったんだけど、再度申請したときは2級の結果が出た。
この等級の判断基準はあるんだけど、精神保健福祉手帳は医師が書く診断書のみで判断し、療育手帳や身体障害者手帳と違って面接で判断することがないから、その判断基準は曖昧で、診断書を書く医師によってかなりバラつきがある。
他のサイトを参考に大まかな判断基準を作ったものが上記だから参考にして欲しい。
精神保健福祉手帳のメリット
精神保健福祉手帳のメリットは色々あるんだけど、大きく分けると以下の三つ。
一つずつ解説をしていく。
1,の障害者雇用枠は、障害者の雇用率にカウントされるのが障害者手帳の有無によって決まるから、障害者雇用で働こうと思ったら、手帳の取得が必須になる。
それだけではなく、手帳を持っていれば、失業保険の期間が、通常であれば90日程度なのが、300日まで貰えるようになる。これはつまり、失業保険が10か月もらえるということで、職を失ったからと言ってすぐに食うに困ることがないということ。俺はこの失業保険をこの10年で3回貰っている。再就職した際に貰える再就職手当もこの期間の1/2~2/3貰えるから、下手したら100万円近い再就職手当金がもらえることもあるんだ。
この再就職手当金については別途記事を書く予定なので、出来上がったらぜひ見てみてほしい。
2, 料金の割引については、この5年でかなり制度が進んだ。俺の住む福岡でも西鉄電車・バスが半額で乗れるようになった。
また、映画館やカラオケ、ボウリング場なんかも割引になり、公共の博物館や公園、動物園や水族館なんかも無料で使えることが多い。詳しくはあなたの住む場所の市役所の障害者福祉課のHPを調べてみてほしい。
大きなところで言えば東京ディズニーランドやディズニーシー、UFJなんかも入場料の割引をやっている。
携帯電話も大手3キャリアが各種割引を展開している。NTTドコモはハーティ割引、auはスマイルハート割引、ソフトバンクはハートフレンド割引という名前。ただ、ここで注意してほしいのは、これはあくまで基本料金からの割引だから、そこまで安くはならない。ほかの人と比べて数百円だと思ってほしい。昔は2年の解約月以外に解約しても手数料がかからないなどの恩恵があったんだけど、今は2年縛りがないように法律によって規制が入ったから、携帯電話に関するうまみはほとんどないと思ったほうがいい。
3,の税制上の恩恵は、住民税と所得税の控除、相続税や贈与税の控除が受けられる。
これは企業に勤めている場合は年末調整で、そうでなければ確定申告で申請することになるから、各締め切りには気を付けてほしい。
年末調整は12月中に、確定申告は3月15日までだから気を付けて。
精神保健福祉手帳のデメリットは?
他のサイトを見ていると、障害者手帳はその恩恵を受けたいときに利用すればいいからデメリットはあまりないと書かれていることが多い。
個人の感想になるんだけど、気を付けてほしいのは、年末調整で会社に市民税や所得税の控除を受けようと思った場合には、会社の経理には手帳を持っていることが分かってしまう。
いまだに精神障害者に対する偏見は根強く、当時勤めていた会社で「お前は障害者なんか!」と怒鳴られたこともある。
また、あまり好きな言葉ではないが、障害受容という問題もある。ピアスタッフで働くことになった人が、初めて手帳を取得する際に葛藤が起きるという話もよく聞く。
そこから、障害者手帳はあくまで制度上のことであり、「自分は障害者である前に人なんだ、一市民として」という感覚になるとだいぶ楽かもしれない。